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有限会社舩越造園

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初めて庭造りをする方へ

初めて庭造りをする方へ

ここでは、人生で初めて庭を造りたいけれど、どうすればいいのか全く分からない。という方に向けて、順序立ててその手法をお伝えします。

私は高校生の時、先代である父に頼まれて庭のデザインと図面を作成して以来35年ほど、庭造りの最初の一歩に係わり続けてきました。

「庭や外構をどうしたらいいか分からない」というご相談は、非常に多くの方から頂く悩みで、建物については設計士や住宅会社と綿密に打ち合わせを重ねてきた一方で、外構や庭については後回しにされることも多く、いざ自分の家の外回りを考えようとすると「どこから手を付けていいか分からない」と戸惑われるのです。

そこで私たち専門家は、相談者の頭の中を整理し、自然に理想のイメージが浮かび上がるよう、ヒアリングを行っていきます。

その場の雰囲気や相談者の発言内容などによって順序は変わったりするのですが、一番ポピュラーな相談順序をここではお話しいたします。

暮らし方暮らし方最初に確認するのは「暮らし方」そのものです。
庭や外構は単なる飾りではなく、日常生活に直結する空間です。

ご家族構成や生活スタイルを伺い、「お子様が小さいので遊び場を兼ねたい」「ペットが安全に過ごせるスペースが欲しい」「友人を呼んでバーベキューを楽しみたい」「ガーデニングを趣味として充実させたい」などのご要望を探っていきます。

同時に、お手入れにどれくらい手間をかけられるかも重要です。
「草むしりの時間は取れないのでできるだけ管理が楽な庭がいい」「多少の手間は構わないから花木を楽しみたい」など、維持管理の方向性を早い段階で確認しておくと、後の提案がスムーズになります。

必須の機能必須の機能次のステップでは「必須の機能」、いわば生活インフラとしての外構要素を洗い出します。駐車スペースは何台分必要か、来客用も確保するのか、自転車置き場や物置は必要か、勝手口やゴミ置き場の動線はどうするかといった点です。

また、洗濯物干しの場所や、玄関からのアプローチの安全性など、日常生活に欠かせない実用面を具体的に確認します。これらはデザインの好みより優先して整理しておくべき条件です。

デザインの好みデザインの好み機能面が固まってきたら、次は「好みのデザインや雰囲気」を掘り下げていきます。

ただし多くのお施主様は「ナチュラルがいい」「和風が好き」といった漠然とした言葉でしかイメージを伝えられません。

そのため、過去の施工事例の写真を提示し、直感的に好き嫌いを選んでいただくことが効果が高いと感じています。

「緑が多い庭が良いか」「石やタイルを多用してすっきりした印象にしたいか」「明るい色合いが好みか、落ち着いた色合いが良いか」など、視覚的に確認していくことで、理想像が具体的に見えてきます。

予算感予算感そして必ず確認しておくべきなのが「ご予算感」です。
外構や庭づくりは内容次第で大きく金額が変わるため、設計を進める前に大まかな枠組みをお聞きします。
その際「全体でいくらくらいを考えているか」と同時に「どうしても優先したい部分」と「後からでも良い部分」に分けていただくと、設計側も無理のない提案が可能になります。

例えば「駐車場とアプローチは最初に整えたいが、植栽は後でゆっくり整えたい」といった具合です。

将来について将来について最後にお聞きしたいのは「維持管理や将来像」についてです。
樹木や芝のメンテナンスをどの程度ご自身で行えるのか、将来的にお子様が独立した後は庭をどう使いたいのか、車の台数が増える可能性があるかなど、将来を見据えた視点も欠かせません。

庭や外構は建物以上に「暮らし方の変化」に左右されやすいため、長期的な視野で計画しておくと後悔の少ない設計になります。

以上をまとめると、ヒアリングは次の順序で進めます。

1
暮らし方のイメージを聞く暮らし方の
イメージを聞く
2
必須の機能を整理する必須の機能を
整理する
3
好みのデザインを確認する好みのデザインを確認する
4
予算と優先順位を共有する予算と優先順位を共有する
5
維持管理や将来像を話す維持管理や
将来像を話す

この流れで進めると、相談者ご自身が頭の中のモヤモヤとしたものを整理しながら明確な要望をハッキリと描けるようになります。

最初は漠然としていたお施主様の思いが次第に形となり、「自分の理想の庭・外構像」が自然に浮かび上がってきます。施主にとっては安心感を持って計画を進められ、施工側にとっても無理のない提案が可能になります。

ただ、最初に申し上げた通り、これはヒアリングであって尋問ではないので(笑)最初の話題は何から出てくるのか?ご自身から話し始めてもらえるのか?そういった不確定要素によって色々変わってくる筈です。

ただ、専門家と話す前に、これら5項目について少しでも頭の中でイメージしておくと、中身の濃い初回打合せができると思います。

庭づくりの基本的な流れ

1.庭のイメージをまず固める!という強い気持ちを持つ

1.庭のイメージをまず固める!という強い気持ちを持つ

「え!?」と意外に思われたでしょうか?
しかし何をおいても、これが一番最初です。
どんなものが欲しいかハッキリしなければ、自分で造るにしてもプロに頼むにしても、目標が定まりません。
結果的に、グダグダでまとまりのない、何をしたいのか分からない庭になってしまいます。
せっかくのスペースが無駄になってしまう。しかも、時間とお金を掛けたにもかかわらず・・・
これこそが、最大の【失敗】なのです。
まず、何が欲しいのかハッキリさせる。これこそ、最初にして最大の重要項目なのです。

2.庭造りに必要な要素はこの3つだけ!

2.庭造りに必要な要素はこの3つだけ!

庭造りに必要な要素は細かく数えれば数知れませんが、最も簡素になるまで削ぎ落として行くと以下の3項目に絞られます。
【見る】【魅せる】【使う】です。

見る、とは自分自身や家族が普段眺めて、心を落ち着かせたりワクワクしたりする事です。魅せる、とは他人の目を意識して造り込む事です。
具体的には、外を通る方に自慢の花壇を見せるとか、招いたお客様に応接エリアから眺めて頂く、などです。
そして使う、とは家庭菜園や盆栽、活動的なオープンスペースやくつろぎのスペースなど用途がハッキリしている庭です。

これらのうち、どれか一つに絞れと言っている訳ではありません。
「見る庭か・・・」とひとつづつ考えているうちに、「我が家では「使う」が一番強い要素だな!」と3つのウェート付けが分かって来ると思います。
その感覚を大事に、次へ行ってみて下さい。

3.何らかの形にしてみる

3.何らかの形にしてみる

3つのウェート付けは終わりましたか?何日か経つと少し思いが変わる場合があります。
1ヶ月くらいは、何もない敷地を眺めながら思いを馳せてみるのが良いでしょう。ウェート付けが決まったら、形にしてみます。フリーハンドで敷地と建物、玄関を描いたら、色々書いてみましょう。
案外、手を動かしていると思いもしない良いアイディアに巡り合えるものです。

4.ここでひとつの選択が産まれます

4.ここでひとつの選択が産まれます

「そんな・・・全く手が動かない、何を書いたらいいか見当もつかない」
そう思われる方もいらっしゃると思います。
ここが、重要な分かれ道です。
この場面で何も書けなかった方、自作はせずにプロに頼んで下さい。略図が描けないという事は、敷地の使い方(専門用語でゾーニングと言います)が分からないという事です。
絵が描けないのに、実際の材料を使って満足のいくものが出来る筈はありません。
気ままに造りはじめて永遠に工事中になってしまうか、最後の最後で重大なミスが発覚し、
不便で格好悪い庭になります。
貴方はどうでしたか?プロに頼まれますか?それともご自分で造られますか?

5A.自作の選択肢

5A.自作の選択肢

自作の場合は図面があるはずなので、それに沿った材料をリストアップして下さい。
施工の順序は 「コンクリート」→「石・添景物」→「植木」→「草花」です。具体的な施工方法は、ネットにたくさん載っていますので、探してみて下さい。
ネットや本でそういった事を探す事も、自作の醍醐味ですよね!

5B.プロに頼む選択肢

5B.プロに頼む選択肢

プロに頼む場合は、図面は(あればあったで助かりますが)無くても構いません。ただ、貴方がウェート付けした庭の要素を設計者に伝える必要があります。その庭で貴方や家族が何をしているのか、話してみて下さい。
できるだけ具体的な方が有難いです。

例えば、「雑木の庭が欲しい」「広いテラスが欲しい」という素材的なリクエストや「皆を呼んでバーベキューがしたい」「家庭菜園をしたい」などの行動的リクエストでも構いません。本来は、プロがヒヤリングを通じてそれらを引き出して行く訳ですが※私は、ここにこだわりをもっています。
ご自身で明確に伝えられるメッセージがあれば、それだけ具体性も増します。
是非、打ち合わせの際には時間をとって、何でもいってみるのが良いでしょう。

6.さあ、いよいよ造園施工の開始です!

6.さあ、いよいよ造園施工の開始です!

色々検討おつかれさまでした。
ここまでが、貴方が主になって動かねばならない庭造りの部分です。
貴方の庭が、素晴らしい日常生活を彩る、なくてはならない場所になります事を祈っています!

番外編 複数社の比較検討

ここでは、複数社の造園会社をフェアに比較検討するためのコツをご紹介します。何か自分で自分の首を絞めていそうですが(笑)避けては通れない道なので・・・
検討項目はハッキリと「価格重視」か「提案重視」かを決めると比較検討がブレません。
複数社を比較するモノサシを明確にする、という事です。
「価格」を重視する場合、可能な限り具体的な形にしてから相談して下さい。
レンガの縁石ひとつとってもピンからキリまで材料は無数にありますし、フェンスもまたしかり。
具体的な材料名を細かく提示すればするほど、「安かろう悪かろう」の業者を排除する事が出来ます。
「提案」重視の場合、ハッキリ言って予算は事前に伝えた方が良いです。
提案重視なので、限られた予算の中で目一杯良いものを造ろうと設計する筈だからです。
よく、比較項目を決めきれないまま複数社を検討される方がいますが、危険です。
それは業者にとってではなく、施主にとってです。
「安かろう、悪かろう」こんな業者を選んでしまうのはいわゆる古典的な【失敗】になってしまいます。

番外編 複数社の比較検討

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