某企業のCSR活動の一環としてバンブーデッキを造る事になりまして、その下地造りをお手伝いさせて頂きました。
このような森林の中、ちょっと見晴らしがよさそうなポイントがあったりしますよね。
まずは束石(つかいし)を等間隔で並べて
下地となる木材を設置して行きます。
最後に竹の結び付けを少し施工してCSRボランティアにバトンタッチです。
竹林の爆発的な増殖が、世間では今問題になっていますが、これは竹そのものに原因があるのではなく、日本人の生活文化が変わった事、それに伴って竹の需要が非常に減ってしまった事、さらにそれに伴って竹林所有者がメンテナンスをしなくなった事、とその原因を突き詰めていくと非常に根深いものがあって、なかなか解消されるものではないんですね。
このバンブーデッキも、この施工によって竹林増殖が解消される、救世主だ、などという事は現実問題としてありえないですし、竹炭や竹細工の見直しなどももちろん、それ単体で見れば焼け石に水なんですね。
最近では、科学の進歩もあって、竹の再利用方法についても色々と選択肢が増えてきたようにも思えます。粉々に砕いたものを農地の土を改良する土壌改良剤として利用したり、植陳そのものに利用したり、紙や化粧品として研究している話も聞いたります。
それはとても良い事で、竹を供給する事が竹林の所有コストを上回れば、ビジネスとして成立する訳ですし、ビジネスが成立するという事は持続可能な仕組みになるという事でもあります。
しかしながら、バンブーデッキや竹細工を忘れずに実施していく事にも大きな意味があって、もう一度竹を日本人の身近な植物に戻すには、そういった文化的な活動もしていかなければいけないのかなと感じます。
我々庭屋さんも、昔は非常に多くの竹を使った技術がありまして、竹垣根も四ツ目、建仁寺、御簾垣に大津垣。土塀の下地だったり、庭木の支柱だったり、井戸のフタ、門松、、、職人さんたちはその技術を駆使して、素晴らしい庭を造っていたのですが、時代は変わり、コンクリートをはじめとした新建材が台頭し、昔ながらの材料や技術は押されてしまっています。
事実、新建材が生まれる背景とは「より手堅いものを」「より早く施工出来て」「トータル安い」という事実なので、これを完全に否定するつもりもありませんし、対決する気もありません。どちらも大切な人々の生活をよりその個人に合った状態で提供するための選択肢の一つに過ぎないのですから。
しかし私は思うのです。こういった人の手間を再度見直し、今の日本の風土に合った新たな文化として竹が深く関わってくれたらいいな、と。
バンブーデッキは、竹と日本人の新しい関わり合いを象徴するひとつのカタチなのかもしれませんね、