さあ、建築も終了しまして一年越しに造園工事の再開となりました。
土間コンクリートや金物のフェンスなどは建築の方が手配されていまして、今回は当社での出番は無し。もちろん、様々なお付き合いなどありますし、お客さまであるお施主さんが信頼されている方に仕事をおまかせされるのが一番だと私も強く感じています。
もっとも、土間コンクリートや金物フェンスが苦手だからという訳ではなく、むしろ当社では専門職の方と一緒に仕事をしているので、年季の入った仕上がりにする事が可能です。ただ、先程のような理由もありますので、植木や庭石、竹を使った工作物など坪庭スペースのオーダーだけでもご満足頂けるものにするよう心がけています。
今回は、こちらの坪庭スペースです。
玄関を開けると最初に飛び込んでくる、まさにご自宅の顔になるスペース。
どのように表現していくか楽しみな場所でした。
奥行きはあまりなく、しかも隣家の生活感が見えてしまうスペースですので、目隠し効果を狙いながら奥行きのなさを感じさせないレイアウトを考えました。
まずは(玄関側から見て)奥の部分に垣根を建てます。渋いスペースにしたかったのと、行き着くにも狭いスペースを通るのでメンテナンスの頻度を下げたかったこともあり、奥の垣根は板塀としました。
焼いた板と晒し竹という材料を交互にリズムよくつけていく塀で、一般的に大和塀と呼んでいます。
手前側には塩化ビニール製ではありますが、大津垣という竹を編んだような垣根を設置しました。
見た目にもちょっと珍しいので目をひきますから、玄関に入ってきたお客様の視線をまずは坪庭に向かわせる効果を出すことができ、いきなり生活感が視界に飛び込んでこないような仕掛けにしています。
手前にある大津垣と奥に見える大和塀を違い違いに設置することで、感じにくい奥行きを少しでも感じられるようにしました。
からくりは、たがい違いになった垣根と塀の隙間が一定スペース空いたまま視界から消えることで、見たものがその先を想像し、より実際は無いスペースを感じ取ってもらうという仕掛けです。
大きな構造物はここまでになります。
次回はいよいよこの庭の仕上げ作業に入っていきます。