いよいよ庭造りに入っていきます。
今回の現場では,1番最初の段階で最大の難関がやってきました。
写真ではうまく伝わらないかも知れませんが、メチャメチャ大きい庭石です・・・お客様の既存庭に鎮座していた時から独特の存在感を放っていたわけですが、いよいよ掘り出してみると・・・現場に入れられる当社のバックホウで何とか動かして所定の位置に置けたわけですが、それ以上の移動はおろか微調整もままならない程になってしまいました。砕いて処分することも頭をよぎりましたが、何とか使って欲しいとのご要望を受けましたので、もうこれは仕方ないですね。今、この場でこの感じで何とか庭に活かして行くしかありません。
回遊式の庭へ入っていく第一歩の大きな飛び石として機能させる事にしました。
周辺を石積みにして、既存のソテツに高さで違和感が少ないように何とか庭の敷地を上げます。
途中、大雨が降って庭石が水没するというイベントが発生!
しかし造成途中だったので冷静に雨水処理方法を確立して完璧にクリアしました。
概ねできてきました。もうあとは植栽の力を使っていい感じの庭に仕立てていくだけです。
こうなってくればもう完成。
庭へ誘う第一歩の石としての役割を持たせることができました。石の材質も周辺の石とは異なっている石なのですが青みがかった石は、庭の手前にある青砕石が敷き詰められたオープンスペースからのつながりから見れば非常に良くなったのではないでしょうか?
日本最古の造園マニュアルと言われている「作庭記」にも「デカくて動かない石があったらそのまま庭に取り込んで使う方法がないか考えろ」という主旨の記述があります。
今回、お施主様の要望に応える形で、何とかこのデカい庭石に新しい庭での役割を持たせてあげられたのかなと感じています。
立てて埋け込まれ景石として人に見られる役割から、庭へ入っていくその導入部分である第一歩を力強くサポートする役割へ。用途は全く違えど、庭の重要部分を担い続けてくれると感じています。