それでは、完成したS様邸のお庭の全貌をご紹介します。
庭への入り口は東側と西側の2ヶ所あり、こちらは東側の入り口です。
バックホウではビクとも動かない巨大な石を転がった姿勢そのままで庭への入り口ステップとして使いました。どうでしょうか?違和感ないと思います。
今そこにあるどうしようもない条件を上手く利用して庭に活かすのも、年季の入った庭屋さんならではじゃないかなと思います。
奥へ入っていく通路は、あられこぼしという石畳の手法で、一見して安定感があまりないような造りになっています(実際は石がもげてしまうようなことはないですよ)。人は不安定そうな足場の時は目線が下に向くので、奥へ歩いていく際に正面にある隣家の物置などに目が行きにくいような狙いがあります。
同じ入り口から入って右に振り向くと庭門へ向かう道があります。
こちらは逆に伸び伸びと歩いていただきたいので、平石も使った一見して歩きやすい石畳になっています。庭門をくぐってその奥には何があるんでしょうね?
庭の奥まで突き当たって西を向けば、三和土に似た土舗装と呼ばれる通路になっています。砂を平らに均す程度の技術力と水やりのタイミングを逃さない時間配分ができさえすれば、比較的簡単に作ることができますので、案外素人の方も気軽に作業できちゃうのかもしれませんね。今回は予算配分を決めるにあたり、奥の通路は簡素化を目指しましたので、メリハリを持って各通路の工法をチョイスしました。
そして前回ご紹介したモミジ並木へと繋がっていきます。
陽の光を浴びて木漏れ日が眩しい感じもいいなぁと思ってしまいました。
我が家にもほしいです(笑)
オリジナル板塀も植栽と相まって良いバランスを見せ始めています。
これからもっと良くなってくれると感じました。
今回は概ねのご予算はあるものの、ほぼ全てお任せという大変楽しい庭づくりをさせていただきました。
ただ楽しいだけではなく、お任せいただいた責任を感じ、少しでも良いものを!と毎日何か工夫を重ねるというお任せならではの品質の高め方を実施いたしました。
おかげでとても良い庭になったと感じていますし、お客様にも大変喜んでいただいているので、庭屋冥利に尽きるなと思います。