それではいよいよ仕上げの作業に入っていきます。
家屋に干渉していないけれど既存の庭と干渉している東側エリアは、その境界に大きめの石を見切りとして使いました。
天端(てんば)と呼ばれる石の一番高い部分に平らな面がある部分を使うことで、大きな石から発せられる荒々しい感じと、人為的な雰囲気と言いますか、どこか規律も感じるのでは無いでしょうか?庭は自然ではありません。自然「風」なのです。そこはピクニックで通り過ぎる非日常空間ではなく、毎日過ごす日常空間ですので、縁石の使い方も工夫が必要になってきます。
もっとも、お客様が在庫している石を極力使うというのが策定のテーマでもあるので、そこは苦心したのですが・・・
逆を振り向くと家屋に隣接した西側エリアになります。
住宅リフォームの業者さんが塩ビの垣根を取り付ける計画だったので、庭の中は圧迫感のないように極力広めに取りました。
垣根沿いに点々と庭石+下草+低木+立木というパターンをいくつか配することで、細長い庭がワンパターンにならないように考慮しました。
当初設計段階では、春夏秋冬の一年間を東側から西側に向かって純盤に花が咲いていく趣向にしたかったのですが、お施主様との意見交換で断念。まあそういうこともあります。別の案件でこういうシチュエーションがあった時は、またご提案してみようかなと感じました。
で、更に変更ありで一旦完成した庭を再構築。
実は玄関先にある小さな花の咲くサザンカをお施主様がとてもお気に入りで、ぜひもう一本欲しいというリクエストに応え、しっかりとした型のものを入れ直しました。
とはいえ、何でもホイホイお施主様の言うことを聞いているわけでは無いですよ?(笑)庭の構成上、倫理上、管理を進めていく上で、お施主様の不利になりそうな可能性があれば、やめたほうがいい旨、必ずお伝えするようにしています。
例えば、お施主様がお客様をご自宅に招いた際に、庭の構成が趣味の悪い漢字になっていたりして、恥をかいたなんて事になったら、庭屋さんの仕事としては失格ですからね。言わなければいけないことはきちんと言いますよ。
庭の拡張に伴うリフォームということで、敷地の用途や使いたい樹種、囲いの種類、既存の庭石を使用するなど、様々な条件のあった現場でしたが、むしろそういう条件がある事の方が庭リフォームでは当たり前なので、そういう時に作庭者のアイディアの引き出しの数や経験に基づいたリスクの回避とか、そういった能力を試される現場だったなと感じています。
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私たち舩越造園は、浜松市内で庭リフォームを主に手掛けています。
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