本格的な和風庭園の施工依頼を頂きました。
いつもはサイトをご覧になって問い合わせをいただき、現況の確認とヒアリングからスタートなのですが、今回はお施主さんが当社の前を通りかかって「なんかいいなぁ」と思って下さり、ふらりと入って頂いたのがスタートとなりました。
とても珍しいご縁です。
話し込むこと20分。
次はご夫婦でみえられ、現状の写真や資料などを頂き、庭のご希望や問題点などを話し合い、様々お伝えさせて頂きました。
いつもはお客様宅に初手から出向いて、現地を拝見しながら話し合う形なのですが、実は当社にお越し頂けると、パソコンも充分に使えて大きなモニターで施工事例などをお見せできますし、必要な資料やカタログなども充実していて、思わぬイレギュラー的な話でも資料をお見せできるので、これはこれで有りなのかなーと感じました。
最初から家に来てもらうのは忍びないな、とお思いの方は当社の打合せルームにお越し頂いても大丈夫です。モデル庭園になっていて、実際の施工例も肌で感じ取れてお得ですよ?
さて、今回は2つのプランをご提示いたしました。
まず1つ目は奥行きのある直線をそのままストレートに生かしたプラン。
和風庭園の手法では、奥行き感を出すために様々な方法があるのですが、元々本当に奥行きのある空間ではそれをストレートに表現できる方法があります。
真っ直ぐ奥へ伸びる直線が徐々に集約していく様子、同じサイズの同じものが、奥に行くにしたがって徐々に小さくなっていく様子、パースや絵などで使うこれらの技法をそのまま表現できれば、それはもう奥行き以外の何物でもありません。
細かい技法を使わないのでシンプルな庭にすることもできて、予算を押さえる事も可能です。
次に、曲線や変化を使って奥行きを楽しむ手法です。
奥へ伸びる道も曲線を描きつつ、手前は大味のテクスチャから始まって、奥へ行くと細かい石貼りの道に変わり、庭木の蔭へ消えていきます。
また、庭内も若干高低差をつける事で、植栽エリアと道の明確な仕切になり、メリハリのある庭になります。
当然ですがこちらの案の方がご予算は高めになりますが、結果的にはお客様はこちらの案をお選びになりました。
非常に手間のかかる仕事の多い庭ですが、職人冥利に尽きる仕事になりそうです。
さて、先ほどのパースをCADに落とし込み、いくつかの変更を重ねて最終的に図化してみました。図の左は駐車エリア、下は駐車場に入るためのなだらかなスロープ(ピンコロという御影石の舗装)と一体化しています。
駐車場エリアとの仕切りはお施主さんの知り合いの建築屋さんが大和塀を作ってくれるとの事で、その塀ができてから施工に入る、という形で着工となりました。
次回以降、施工風景をご紹介していこうと思います。