2018年08月17日
いつも思うのですが、庭造りの作業そのものは地味な動きの連続でして、その作業過程の大部分においては発想力とは無縁の時間が多くを占めています。
既存の土を起こし、残った木の根や草などを丁寧に取り除き、堆肥などの土壌改良剤を混ぜ、時には土そのものを混ぜ、植物の生育に良い環境を作ります。
植物を植えこんだ後も、必要なものは支柱をし、土をなるべくむき出しにさせないようにマルチングを施工します。
今回植栽に使用した植物は、ニューサイランやドドナエア、ナリヒラなどを中心に、緑の濃淡と赤系の植物をアクセントにする、通行される方も見て楽しい庭ができました。
創造的な時間帯というのは、なにもこの植栽のチョイスや配置を考えているだけに留まらず、どれに支柱をするか?マルチングをするか?土中の障害物があったらどうするか?などでも発揮されるものですので、実作業を行うからといって想像力が無くてもいいだろうというのではなく、実作業だからこそ瞬間的な想像力とその引き出し、そして応用力が必要なのかなと感じています。
マンション植栽、完成です。
2018年08月10日
管理人室前の改修作業です。
伸び放題のヒイラギナンテン。
どのエリアでもこの樹木だけが成長旺盛です。
もはや基本中の基本、土を掘って土壌改良です。
立水栓のある奥のエリアは思い切って砂利だけにしました。
お客様に好評だった白玉砂利。
暗い空間を反射光で少しでも明るくしてくれます。
成長後の植栽のボリュームと色合いを考えて、今は物足りないくらいの量を植え込みます。
今完成させてしまうと、今後植物が大きくなった時に大変な管理作業になってしまいますし、狭い空間に多くの植栽がひしめき合っている状態はあまり良いとはいえません。
最初は「多少物足りないかな?」このくらいで丁度良いのです。
しかしそうは言っても、スカスカのスペースから雑草がボサボサに生えてきてしまっては本末転倒ですから、仕上げにマルチングをします。
木くずで地面を覆って日光を遮り、元々土の中にある雑草の種の発芽を抑制すると共に、新たに飛んできた種が発芽してもフカフカのマルチングで根を抜きやすくする、そんな効果があります。
2018年07月20日
前回と同じようにタマリュウを使って大部分を覆い、少し樹木を植えこんだパターンのエリアも造りました。
既存は前回と同じく、ヒイラギナンテンです。荒れた印象がどうしても拭えません。
土を起こします。基本です。
前回同様タマリュウを敷き詰めていきます。
最近ではマット状になった材料が売られていますのでこれを使います。材料より人件費の方が高い現代では、必須の材料と言えるでしょう。
最後にホソバヒイラギナンテンを植え込んで完成。
既存で植えてあったヒイラギナンテンより葉が細く柔らかくどことなく南国のイメージを抱かせるホソバヒイラギナンテンは、リゾートの演出などで重宝しています。
2018年07月13日
マンションの植栽をさせていただきました。
敷地全域の植栽帯全てが対象でしたのでエリアごとに施工内容を書いていきたいと思います。
既存の植栽はヒイラギナンテンでした。
非常に強い樹木なので枯れている訳ではありませんでしたが、どことなくまとまりの無い雰囲気になっています。加えて、隣地へ越境しがちなので常に気にかけていなければいけない状況でした。
まずは全面撤去。下地をシッカリと均します。ここに何を植えるか?ヒントは写真の右端に写ってしまっています(笑)
タマリュウという下草を敷き詰める事にしました。これは非常に強い地被類で、浜松では頻繁に使われるポピュラーな植物です。
これで完成。スッキリしました。
加えて、メンテナンスの必要性はほぼ無し。緑に覆われたエリアを低いランニングコストでキレイなまま保てます。
もちろん、敷地全面をこの手法で施工したら味気ないものになってしまいますので、裏の通りからは目立たないエリアを集中的に施工しました。
管理室から近いメンテナンスしやすい通り沿いは華やかに。第三者には見えにくく、管理室からも遠く、隣家と接していて気になるエリアはローメンテナンスを主眼に。
メリハリを付けた植栽計画です。
2018年07月09日
台杉の和風庭園、完成です。
玄関先は雑木と手水鉢の坪庭。
エゴの木をメインにし、低木類は極力少なくして、今後ワサワサならないように(笑)古銭鉢は特に用途は無いですがオブジェ的に据えました。
来客のあった際に、例えばツバキの花を浮かべるとか、色々演出に使って頂ければと思います。
マキの仕立てとクロマツは元々所有されていたお客様の木です。
台杉が印象的な庭の焦点となる水鉢と鉄平石の大きな飛び石。この間の瓦と砂利のエリアが、庭に降った雨を吸収する排水マスの役割を担っています。
ご要望もあってウメを取り入れました。
背後の山並みは良いのですが、ビニルハウスと電柱はどうしても庭の景観を損ねてしまうので(かといって撤去するわけにもいかず)台杉の縦へのパワーを借りつつ、水鉢や鉄平石などで目線を下げ、何とか目立たない方策が無いかと考えていました。
最後に、目立たない庭奥のエリアにお客様の所有するツバキとクロマツの小庭。
土を盛った築山の斜面保護も兼ねた植栽はタマリュウという植物です。風が強く空気が乾燥しがちな浜松では、苔の庭を造る事が非常に難しく、かなり限定した環境下でないと良い苔庭にはなりません。
そこで、様々な下草を使う訳ですが、タマリュウというこの植物は緑も濃く、葉も細かく、また育てやすい植物なので重宝しています。
これで、台杉を使った和風の庭が完成です。
本当に久しぶりに台杉を使わせていただいたり、比較的お任せの意見が多かったりで、楽しい現場でした。ありがとうございました。