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新たな造園のご依頼です。
屋根に降った雨を流す雨水パイプの採取的な出口が玄関ポーチのすぐ脇にあり、雨の日は建物の周りがぐちゃぐちゃになってしまうので何とかしたい、というご相談です。
加えて、長らく空き地のまま置いてあった南側の庭スペースを、この際だからシッカリきれいな庭にしたい。調べていたら台杉というのがあってそれを庭に取り入れたい、というご要望です。
ご提案はこんな感じ。
屋根からピチョピチョと雨つぶが落下してくる部分は泥跳ねが酷いので、砂利敷きにして防ぎます。
庭との仕切りは頂き物の瓦を縦に並べて縁にし、砂利の下をモルタルで固める事で、玄関ポーチ脇に流れ出た雨水を建物西にある集水マスまで誘導する排水溝の役目も持たせます。
台杉は何本も立ち上がる細い幹が持ち味の杉なので、庭奥向って右に集中させ、邪魔で見映えが悪くなりそうな電柱と視界を重ねる事で、少しでも緩和させようという試みです。
台杉とは元々建材を採るために人工的に造られた杉の仕立て方で、京都の北山が有名です。
行ってみればわかりますが、もう何本も何本も植えられていて、台杉だけで森を形成している感じです。
従って、その持ち味を庭に取り込むには、3本は使わないと魅力を活かしきれないなと感じていて、今回お客様のご理解も頂き、3本入れさせて頂く事になりました。
久しぶりに使う材料です。正直申し上げますと、私が舩越造園に入社して20年経ちますが、入社後はじめて使います。
楽しい仕事になりそうです。
庭門の脇に竹で簡易的な柵を設けます。
亀甲竹という亀の甲羅のような節を持った竹を使って、寂びた感じを出したいですね。
意図している内容を職人の担当とiPadで共有します。便利な世の中になりましたね。
で、実際の意図した感じに寄せたのがこちら。
んーーーちょっと竹が太いか?
でもまあ意図した事は実現できているという事でこれで完成としました。
敷地内側からの完成写真。
まだまだ風景に馴染んでいるとは言い難いですが、2年もすれば材料の新品感は褪せ、使い古した庭門になる事でしょう。
これにて、庭門造りは終了です。
ただ周辺の庭と調和し、違和感の無い導線にするのをテーマに設計施工しましたがいかがでしょうか?
舩越造園ではこのような大掛かりな造作物もうけたまわっていますので、建築屋さんに頼むととんでもない金額になるし、そこまで良いのじゃなくてもいいんだよな・・・という微妙なバランスでお悩みの方も、ぜひご相談ください。
電話は 053-522-2011 です。
庭門の寂びた感じを出すには杉皮で屋根を葺くのが一番ですね。
杉皮は束で購入するのですが、やっぱり同じ束の中でも質の良し悪しはあるもので、厚みや穴、それから屋根の左右と手前に来る部分は杉皮の断面が見えるので、特に気を抜かずどの杉皮をどこに並べるかを決めてチョイスして行きます。
何枚も重ねて厚みも出していきます。
杉皮はなかなか値が張りますので・・・余りあるほど現場へ供給できない内情もあるのですが、チョイスする腕でカバーして作業して行きます。職人のみんな、ありがとう!
葺いた杉皮を竹で抑えて屋根の完成。
5年10年。経過するその間にどんな植物や苔がこの屋根に住んで、どんな味になっていくのか?楽しみですね。
いよいよ次回がラスト。最終仕上げとなります。