2018年06月08日
庭門の寂びた感じを出すには杉皮で屋根を葺くのが一番ですね。
杉皮は束で購入するのですが、やっぱり同じ束の中でも質の良し悪しはあるもので、厚みや穴、それから屋根の左右と手前に来る部分は杉皮の断面が見えるので、特に気を抜かずどの杉皮をどこに並べるかを決めてチョイスして行きます。
何枚も重ねて厚みも出していきます。
杉皮はなかなか値が張りますので・・・余りあるほど現場へ供給できない内情もあるのですが、チョイスする腕でカバーして作業して行きます。職人のみんな、ありがとう!
葺いた杉皮を竹で抑えて屋根の完成。
5年10年。経過するその間にどんな植物や苔がこの屋根に住んで、どんな味になっていくのか?楽しみですね。
いよいよ次回がラスト。最終仕上げとなります。
2018年06月04日
万事準備を整えまして、いよいよ庭門の建て込みに入ります。
まずは柱たち。シッカリと掘った穴に設置します。
屋根も乗せます。
ここまで来ればとりあえず最初のヤマは越えました。
少し作業が押しましたが遅めの休憩です(笑)
野地板を貼っていきます。飾り竹垣根も同様に貼ります。
庭門の全容が見えるようになりました。
土でシッカリ締め固めて埋め戻そうと思いましたが、お施主さんのご希望もあり、コンクリートを使う事になりました。
コンクリートは作業した後しばらく置かないと強度が出ませんので、とりあえずここまで。
屋根への杉皮貼りと最終仕上げはまた次回。
2018年06月01日
さあ、いよいよ庭門の屋根です。
ほぼ完成した屋根、柱、欄間を仮に組付けてみます。
ここでハマらなければ相当青ざめるしかないのですが(笑)何とか組めたようでホッとしました。
たぶん、同業の方もご覧になっていると思うので分かる方は分かると思います。「おいおい、棟木はどうした?」と。分かります。しかし重い(笑)そこまで本格的な構造を支える柱だと、費用の方が予算の遥か彼方へと飛んで行ってしまいます・・・簡素で、それでいて重厚な落としどころと思って、ツッコミ他ご勘弁ください。
さあ、骨格をなす部品は揃いました。既存の解体も済みました。次はクライマックスの建て込みです。
乞うご期待(笑)
2018年05月28日
いよいよ庭門造りも佳境。欄間部分にあたる木材の加工です。
大工あがりで社員のご家族である方に加工をお願いし、出来上がったものをこちらで焼く、という工程になりました。見事オーダー通りに彫って頂いてありがとうございます。
欄間や床柱に使えるような木材はめぼしいものが現場で出た際にストックしておいてあるのですが、昨今の事情もあり、随分品薄になってきました。
この材木も買えば結構値が張ると思いますが、現場ストックなのでリーズナブルにご提供しました。
細かい所はハンディタイプのバーナーで焼いて仕上がりになります。
次回は同時進行で進めていた屋根の製作をご報告します。
2018年05月25日
いよいよ既存の庭門の解体に入ります。
庭の解体っていうのは実は好きな作業のひとつなんです。
その理由は今まさに解体しようとしている庭を造った職人と対話ができるから。
「あーこうやったんだーわかる!」とか「何でこうやったのかな?あーそうか、こういう事なんだね」と時間を超えて、顔も名前も知らない庭屋さんとまるで対話しているような感覚に陥るからなんですね。
既存の庭門の屋根は、横の断面が見える屋根の輪郭部分こそシッカリと木材を使ってありましたが、それ以外はべニア合板のようなもので造ってありました。
材料が無かったのか?手間の方が安い時代だったのか?職人の苦労が偲ばれます。
逆を考えれば、この先の未来に私共が造った庭門が解体される時、未来の職人に鼻で笑われないような仕事は最低限しておかないとな、と身が引き締まる思いです。