近年、大きな勢力を保ったまま日本に上陸する台風が増えているように思えます。様々な問題を事前に知っておくのは良い事だと思います。
まず、大型の台風によって最も目立って被害が出る箇所は、カーポートだと思われます。
側面の片側に柱があって、そこから骨組みが反対の側面に伸びて、ポリカボネードの半透明な屋根で覆われている。
一見、似たようなカーポートでも実は大きな違いがあります。
カタログなどを見て頂けると分かるのですが、カーポートにはそれぞれ耐風圧強度という数値がありまして、割と安めのカーポートでは風速36~38m/sに設定されています。
2018年9月末に上陸した台風は、浜松通過時には風速40m/s程度だったと言われており、風の方向や障害物の関係などで運悪く強度を上回る風のあおりを受けたご家庭では、ポリカボネードの屋根が吹き飛んでしまい、骨組みだけになってしまったということです。
もっとも、大きな台風が来そうだから屋根が飛ばないようにしっかり骨組みに固定しよう、などとは思わない方がいいです。このポリカボネード屋根がきれいに吹き飛ぶのは偶然でもなんでもなく、元々設計された仕様だからです。
どういう事かと言いますと、屋根のポリカボネードを頑丈に留めすぎると、今度は屋根を支えている柱に大きな負荷がかかり、今度は柱ごと飛びかねないリスクがあるからです。
屋根板だけ飛ぶのは、まあ危ないのですが、カーポートの柱ごと飛ぶのかと思えば、そこはそれ、万が一の非常事態に備えるという意味でも致し方の無い設計なのかなと思います。
植木に関しては、いわゆるコニファーと呼ばれる種類の樹木は、あっけなく倒れてしまう事が多いです。
これは、樹木の性質に関わる事なのですが、あれらコニファー類は根の張り方が浅く、地上付近に広がるように根が展開するんですね。
その割には枝葉をフサフサと葉広く成長させるので、風があまり無い地域では良いのかもしれませんが、浜松のような逃げ場のない風をもろに受けるような場所では、アッサリ倒れてしまう事がよくあります。
次に、浜松では街路樹によく使われているナンキンハゼ。秋にはきれいな紅葉を見せるあの樹木は枝が折れやすく、台風の過ぎた後に観察すると、案外大きな塊で道に落ちている所を見る事ができます。あの大きな枝の塊が走行中の車に落ちて来たら・・・ちょっと気持ちの良いものではありませんね。
また、街路樹は樹木の根元ギリギリまで舗装がなされていて、かつ根が十分に展開するだけの敷地も確保されていませんので、根元から抜けて倒れてしまう危険性もはらんでいます。
自然の前では人の力は無力です。
あまり無理をなさらず、間違っても不用意な外出などはせず、静かに嵐が過ぎ去るのを待つしか無いようです。