今回は唯一移植をせずにその場に残したソテツ周りについてお話ししたいと思います。
ソテツの移植はなかなか作業的に手間が掛かるので、現状の状態で庭に活かしていこうという試みです。とりあえず、第1回目の報告ブログの際にもソテツのみ固定した状態のほぼ白紙から庭のデザインを起こしたので、ひょっとしたらソテツがデザインの軸になったのかもしれません。
あらかた造成も終わり、ソテツ周りの詳細について決めていかなければいけない時が来ました。
既存の庭石が多くありますので、これを利用して行きたいと思います。
もっとも、ソテツを主役にして庭のシンボルにするというよりも、庭の一部として溶け込ませるような使い方をしたいと思っているので、できるだけ周囲に色々配置していく方針です。
今後の方針について職人と現場で打ち合わせ。ここでも大活躍のiPadです。
築山のように盛り上がった頂上から突き出るような形でソテツが植えられていますから、その勢いというか違和感を軽減させるために根元に石組を施工します。
足もとに硬質な石が複数据えられていることで、ソテツの上へ広がる違和感を重量感でつなぎとめるようイメージを伝えました。
石を据え終わったところです。石も含めてひとつの「景」を形成したので、ソテツの違和感を緩和できていると思います。ただ、まっすぐ伸びていないので、その違和感だけは強烈に残ってしまいますが、これはどうしようもないですね。他の植栽や添景物などとセットで緩和させたいと思います。
行の延べ段という石畳と盛り上がっているソテツの足元の土の間の距離が少ないのでピンコロと呼ばれる御影石の角石を土留めに据えました。
これは現場からのアイディアです。いいですね。お任せ造園は、このように施工しながらより良いものを取り入れていけるのでとても好きな施工方法です。(ただ、私と職人との相性もあるので、相性の悪い職人や打っても響かない職人とは絶対やらないですけど・・・)
ちなみに奥に写っている職人は石畳の水平を感じ取っているのであって、決して腕立て伏せをしているのではありませんので、あしからず。(腕立てしている可能性もありますが)
庭門や灯篭なども入って随分にぎやかになってきました。
恐らく、この写真を見た時に、最初にソテツに目が行った方はほとんど居られないかと思います。馴染むとは、つまりそういう事だと私は感じています。
さあこれで完成です。
盛り上がっている植え込み位置、斜めになっている樹形、なかなか難儀しましたが庭の「景」として馴染ませることができたのではないかと思います。
今あるものを最大限生かした庭造りは、多彩な業務アイディアの引き出しがある創業60年の舩越造園にお任せください。